スポーツ外傷・障害
ランニング障害
「ランニング障害」とは…
長期間ランニングを続けることによって、骨や腱、筋肉などに少しずつ負荷がかかり続け、それによって骨折や炎症などを引き起こしてしまうことです。
ランニング障害は比較的経験の浅いランナーに多く見られます。ゆっくりペースのジョギングを卒業して時速8km程度のランニングといえる速さに達して、月間走行距離が増えてくると気付かぬうちにランニング障害をおこしているというケースが増えています。
《原因》
- O脚、偏平足など体形からくる素因(内的因子)
- コンディショニング不良
ケアの不足による柔軟性や機能の低下 - 練習内容、練習環境
距離やスピードの急な増加、硬い路面 - ランニングシューズ
上級者向けのシューズは軽量化のため靴底がうすいものが多いので、最初は靴底のクッション性が十分あるものを選んで下さい - ランニングフォーム
以下に注意点を載せているので、参考にして下さい。
着地
着地は基本的に踵のやや外側から始まり、図1の矢印のように母趾(足の親指)にぬけていきます。
図2-Aのようにつま先が外を向いて、足底の内側アーチ (土踏まず)をつぶすような体重移動は、足底腱膜炎やシンスプリントをおこしやすくなります。
図2-Bのようにつま先が内向きで、最後まで外側に体重がのっていると腸脛靭帯炎や腓骨筋腱炎などをおこしやすくなります。
ランニング姿勢のポイント
- 重心を高く保つ
- 着地は重心の真下近くにおこなう
- 骨盤を前傾位(前に傾けた状態)に保つ
- 肩甲骨を後方に引いて骨盤の後傾をふせぐ
重心が後ろにあると着地時にかかとを傷めたり、身体を反らすような姿勢が続くため腰痛を引き起こしやすくなります。
肩甲骨を引くことで骨盤を前傾しやすくなり、また背骨のカーブが着地の衝撃を分散させます。(下図)
足をついてから蹴りだすまでの注意点
膝を伸ばして股関節から強く蹴りだします。
足首の柔軟性の低下や骨盤の前傾が不十分だと膝が曲がってしまうため、股関節での十分な蹴りだしができません。
股関節での蹴りだしができないと、膝下での蹴りが強くなり、ふくらはぎやアキレス腱の負担が増すため、傷める原因となります。
ランニング後にふくらはぎに一番疲労を感じる方は股関節の蹴りだしが十分できていない証拠です。
蹴りだしは足の親指側でおこないます。
蹴りだしが小指側にぬけてしまうと十分に蹴りだせなくなり、腓骨筋腱炎などを引き起こしやすくなります。
フラット走法&フォアフット走法
着地を足底の真ん中(フラット)や前の部分(フォアフット)でおこなう走法です。
着地時にブレーキがかかりにくく、上下動も少ないためロスも少ないと言われています。ただしかかとでの着地に比べ筋肉(特にハムストリング)への負担が大きく、習得も難しいため初心者には適しません。
当院での症例です。
受傷から復帰までの経過を載せております↓
左腸脛靭帯炎 16歳男子 サッカー
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