スポーツ外傷・障害
シンスプリント
シンスプリントとは、ランニングやジャンプを繰り返すことで、すねの骨膜に炎症を起こすスポーツ障害です。
運動中や運動後にすねの内側に痛みを生じます。(下図の赤い部分)
特に長距離のランニングやジャンプを繰り返す競技に多く発生します。
また練習量や強度に慣れていない1年生には特に発生しやすいスポーツ障害です。
悪化すると安静時にも痛みが出たり、疲労骨折へ移行することもあります。
予防が非常に大切になるので、自分でできる予防や対処の方法をお伝えします。
予防と対処方法
アイシング
骨膜の炎症を抑えるために練習後のアイシングをおこないましょう。
湿布では代用できないので、氷やアイシング用の保冷剤などで15分程度おこなってください。
アイシングはやればやる程良いというものではないので、適切なタイミングと時間でおこなって下さい。
ストレッチ、セルフマッサージ
下肢全体のストレッチやセルフマッサージをおこなって下さい。
筋肉は疲労が蓄積すると固くなったり、力を発揮しにくくなります。
それによりフォームが崩れたり、着地の衝撃を緩衝できなくなることで骨にストレスがかかりやすくなります。患部周辺だけでなく下半身全般おこなうことが大切です。
※参考にして下さい↓
足の静的ストレッチ
ストレッチポールを使った足のセルフマッサージ
ボールを使った足のセルフマッサージ
走る場所や内容
アスファルトなどの固い路面でのランニングは足への負担を増大させます。
土や芝生など軟らかい路面を選んで下さい。
また長距離のランニングを過剰におこなうのも良くありません。
長距離のランニングが心肺機能の向上に特に効果的ということはありません。
短、中距離のダッシュなどでも十分心肺機能は高められます。
足への負担を考えるとトレーニングとして長距離を選ぶメリットはありませんので、ロングダッシュや坂道ダッシュなどを代用して下さい。
シューズ
底がすり減っていたり破れているシューズや中敷きは買い替えましょう。
そういったシューズや中敷きは、着地の衝撃を吸収することが十分できないため足へのストレスが増大します。
また足が滑ることで筋肉へも余計な負担がかかってしまいます。
体重管理
急激な体重の増加は足への負担を増大させます。
日頃から決まった時間に体重を測定して、管理しておくようにしましょう。
また体重の多い人が急に運動を始めるとシンスプリントを発症しやすいので、最初は運動量が多くなり過ぎないように調整して下さい。
当院でのシンスプリントに対する治療、リハビリについて
マッサージ、ストレッチ
疲労で固くなった筋肉をほぐすことで、せまくなった関節の可動域や低下した機能を元に戻します。
そうすることで骨への負担が軽減し、患部の回復が促されます。
鍼治療
鍼治療には炎症を抑えたり、痛みをやらげる鎮痛の効果があります。
また局所の循環を改善させることで組織の修復を促します。
さらにマッサージなどでアプローチできない深部の筋肉をやわらげることが可能です。
超音波治療
微弱な超音波を患部にあてることで、患部の修復を促進します。
痛みなどは一切ありません。
インソールの処方
偏平足などの足底アーチの低下は、シンスプリントの要因の一つです。
シューズのインソール(中敷き)にパッドを張り付けて低下したアーチをサポートし、足への負担を軽減します。
リハビリテーション
筋力強化や正しい動き作り、可動域の拡大などを目的とした運動を1回30分程度でおこないます。
それによりランニングやジャンプ動作を改善し、シンスプリントの痛みが出にくい身体を作ります。
まとめ
冒頭でもお伝えした通り、シンスプリントは無理を続けていると疲労骨折へ移行する場合があります。
歩くのが痛かったり、じっとしている時もズキズキ痛いなどの症状がある場合は要注意です。
繰り返しになりますが予防が大切です!
痛みの出る前に日頃から上記のセルフケアをおこなって下さい。
痛みがある場合は、症状が強くなる前に専門家に状態を確認してもらいケアを受けるようにして下さい。
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