アスリート鍼灸整骨院 アスリートトレーニングセンター

インピンジメント症候群

インピンジメント症候群とは…

腕を上げる途中で、腕の骨(大結節)と肩の骨(肩峰)が衝突(=インピンジメント)し、その間にある組織(腱板の一部や肩峰下滑液包など)が挟み込まれ、この刺激が繰り返し加わると炎症が起こります。
安静にしていればこの変化は正常に戻り、症状は軽快しますが、動作の反復によって症状の再燃を繰り返すと慢性化します。バレーボールや野球、水泳の選手などに多くみられます。
進行すれば、時に腱板の部分断裂や、肩峰下に骨のとげ(骨棘)ができ、痛みがなかなかとれなくなることもあります。

症状が長期間にわたり、日常生活や競技に支障をきたす場合、手術をおこなうこともあります。

骨の衝突(インピンジメント)が発生し、その間に挟まれた腱板や滑液包がダメージを受ける!

《症状》

  • 腕を上げたときの痛みとひっかかり感
  • 大結節周囲の張れや熱感
  • 症状が強くなると安静時や夜間痛も出現
右肩前面

《原因》

ケガと使いすぎに分かれます

1回の大きな負荷によるもの

瞬間的に身体に耐えきれない負荷がかかることで、物理的な損傷が起こり、
肩の機能不全が発生

  • スポーツでの肩からの衝突、転倒
  • 重量物を持ち上げる、支える

小さな負荷が繰り返し加わることで、顕微鏡レベルでの組織の損傷がおこるもの

使い過ぎと動作不良が主な原因
特に肩関節や肩甲骨周囲の筋肉の柔軟性低下や、筋力低下があると正常な腕を上げる動作ができず、インピンジメントを引き起こしやすくなる

《治療&セルフケア》

①患部の炎症を抑えるために、安静とアイシングが重要です。

痛みの出る動作や練習はしばらく避け、運動後のアイシングを徹底してください。(15分×2~3セット)
運動後以外の過剰なアイシングは不要です。

②肩関節や肩甲骨、背中の柔軟性を向上させることが必要です。

ストレッチやマッサージ、鍼が有効ですが、そういったケアを受けられない場合は、下記のセルフストレッチやストレッチポールを使った運動などをおこなって下さい。

③肩周囲のアウターとインナーのアンバランスを改善します。

アウターとは外側の大きな筋肉(三角筋など)で、インナーとは内側の小さな
筋肉(回旋腱板=ローテーターカフ)のことです。
動作時にインナーの働きが不十分で、アウターばかり使ってしまうとインピンジメントを引き起こします。

インナーのトレーニング方法を紹介しておりますので、参考にして下さい↓

④インナーの強化以外

肩甲骨の動きの改善や、胸郭への固定力強化、背中の柔軟性向上など、競技や症状に合わせて多くのリハビリやトレーニングをおこないます。

⑤フォームの修正

肩に負担のかかるフォームの場合は修正が必要です。
肩以外の部分に原因があることもあるので、当施設でもフォームチェックをおこない、それを改善するためのリハビリ、トレーニングの処方をおこなっています。

⑥テーピング

腱板を補助するテーピングをすることで、動作時の痛みが軽減します。

当院での症例です。
受傷から復帰までの経過を載せております↓
右肩インピンジメント症候群 18歳女性 バレーボール