アスリート鍼灸整骨院 アスリートトレーニングセンター

ハムストリング損傷

ハムストリングは太ももの後ろにある筋肉で解剖学では3つの筋肉に分けられています。
これらの筋肉は一つのグループ(ハムストリングス)として働いておりその主な働きは、パワーマッスルと呼ばれるように身体から力を発揮する時に下半身を安定させたり、走る時の加速にとっても重要な筋肉です。

ハムストリングス(太ももの裏)に痛みが生じたら…

  • RICE処置(20分×3セット)
    Rest=安静:安静にします。
    Icing=アイシング:大きめの袋に氷を入れて、痛い所にあてる。
    Compression=圧迫:バンテージや伸縮する包帯で太ももをぐるぐる巻く。
    Elevation=挙上:この場合は寝転ぶ事。
  • できるだけ早く専門家に診てもらう
  • 損傷部の治癒を促進するための治療を積極的に受ける(鍼灸、温熱、超音波など)
  • リハビリテーションを積極的に行う(トレーナーにメニューを作成してもらう)
  • ハムストリングスの筋力の左右差が無くなるまでトレーニングする

非常に再発しやすいケガなので、しっかり鍛えてしっかり治すことが大切です!


損傷の程度はGrade1~3に分類されます

■Grade1 軽度損傷

筋肉の線維がやや傷ついた程度。痛むが筋力が発揮できる状態。

■Grade2 中等度損傷

筋肉の部分損傷があり、筋力が充分に発揮できない状態。

■Grade3 重度損傷

筋肉の完全orほぼ完全な損傷または断裂。筋力が発揮できない状態。

非常に稀ですが、ハムストリングが付着している骨盤の骨(坐骨結節)がハムストリングに引きちぎられることもあります。(剥離損傷)
軽度損傷では約2週間以内にほとんどの選手が完全に復帰できます。パフォーマンスの低下もトレーニングと治療をしっかり受ける事で防げます。
中等度以上の損傷では、軽度損傷のように簡単にはいきません。
損傷した筋肉からの出血と炎症が現れますので、初期対応から充分な処置が必要となります。

治療とリハビリ

■初期

受傷直後は患部の腫れを最小限に抑えるためアイシングと圧迫固定をおこないます。
急性期後は腫れを早くひかせるための鍼治療やオイルを使ったマッサージをおこないます。
また早期からのリハビリテーションと患部外トレーニングも行います。
早期からおこなうことで筋萎縮(筋肉が弱く細くなること)や結合組織(筋肉の中にできるしこり)の増殖を最小限に抑え、治癒を早めることが可能です。

■中期~後期

中期から後期にかけては、ハムストリングの左右のバランスを考慮したトレーニングや、神経筋反射を利用したリハビリテーションで、協調性を高めるトレーニングを行います。
左右のみならず、大腿四頭筋とハムストリングスの筋力バランスも整えるようにトレーニングメニューを微調節する必要があります。
大腿四頭筋とハムストリングスの筋力差が90%以下になると、ハムストリング損傷のリスクが高くなります。
これらの繊細なアスレティックリハビリテーションが受傷後の再発を防ぎ、良いコンディションでの競技復帰を可能にします。

当院での症例

受傷から復帰までの経過を載せております↓
ハムストリングス損傷 19歳男性 野球