当院での症例
右肩インピンジメント症候群 18歳女性 バレーボール
主訴:右肩の痛み
高校2年生の時からバレーボール中のサーブやレシーブ(ワンハンドで飛び込むような)での痛みがあり、その状態のまま引退までプレイを続けていました。引退後はバレーの練習量もかなり減りましたが、痛みは消えずに残ったままでした。
大学でもバレーを続けるため、ちゃんと肩を治したいとのことで来院されました。
【症状・状態】
肩をひねる動きや手のひらを下にした状態で挙上した際に、特に強い痛みあり。
肩関節や周囲の筋肉(特に後方)に硬さがあり、正しい肩関節の動きに支障あり。
肩関節のインナーマッスルや背中の筋力低下あり。
【経過】
初診
来院初日より肩関節の硬さを改善する為の徒手療法と筋力強化のリハビリを開始。
バレーの練習は約4週間中止し、週1~2回のペースで来院。
2週間後
日常生活中の手を上げる動作での痛み消失。
まだ肩関節自体の動きが不十分なため、そこの動きを出せるようにするための徒手療法継続。
リハビリはインナーの強化と肩甲骨の安定性、固定力強化。
4週間後
練習再開。プレイ中の痛みはほとんどなし。
ただ肩周りの筋肉が硬くなるとやや可動域が低下するため、周囲の筋緊張を緩和させるための施術を継続。
リハビリはよりバレーボール中の姿勢に近い形でのインナー強化と、肩関節周囲全体の筋力強化。
6週間後
合宿参加。プレイ中の痛みは全くなし。
筋力も左側とほぼ同じぐらいまで向上。
再発を予防するには、もう少し強化が必要なためリハビリは継続。
7週間後
強度の高い練習をして痛みが出現。一時的なもので、治療翌日には消失。
8週間後
痛みもなくプレイできており、可動域や筋力も改善したため治療、リハビリは終了。
ただしコンディショニングとして自分でストレッチやトレーニングを継続して頂くようメニューを数種類指導。
かなり長い期間痛みを抱えていたため、一度プレイを完全に中止して患部の安静をはかる必要がありましたが、ちょうど高校から大学にあがるタイミングで練習を中止しやすかったことは幸いでした。
インピンジメント症候群は運動量を落として一時的に痛みが消失しても、筋力や可動域などが不十分のままでは再発を繰り返すスポーツ障害のひとつです。今回のケースでは通院中も自宅などでしっかりとリハビリをおこなってくれていた為、プレイ再開後もほとんど痛みがでず、スムーズに復帰できました。
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